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ステンレススチール製のボディピアスジュエリーについて

ミケーレ著 - 2006/10/14更新


ステンレススチールとは合金ベースの鉄鋼のことです。製造する際に使用される金属の 種類や量によって、特徴は異なります。

サージカルスチールとは、1920年よりも前に使われていた言葉で、ステンレススチール を指していました。
1870年頃、一番最初に開発された「ステンレススチール」はねじやスプーン・フォークなど を作るのに使われていました。元々はスプーン・フォークなどに使用する銀の代わりとして 開発されたのですが、その優れた耐腐食性によりインプラントにも使われるようになりました 。大きく分けて、AISI(米国鉄鋼協会 ) (www.steel.org) で302と分類されるものです。
1920年新しい品質のステンレス18-8(通称304)が開発され、いち早く取って変わりました。 使用用途の幅が広がり、それに伴いサージカルスチールという呼び方から、ステンレススチール と呼ばれるようになりました。
1950年には316Iが開発され、この時点で全てのインプラントに316Iが使用されるようになりました。

ボディピアスのジュエリーに使われているのは、316L(VM)という種類のものがほとんどです。 316はスチールの系統を表し、LはLow Carbon Content(低炭素含有)、VMはVacuum Melted (真空溶解)の略です。真空溶解は、ボディピアスジュエリーに使用されるスチールを作る行程 で必ず行われているわけではありません。

約30年前、316L(VM)をインプラントに使用するケースが次第に増え出しました。 そのため、ASTM(米国材料試験協会) (www.astm.org) とISO(国際標準化機構)(www.iso.ch)は、 316L(VM)がインプラントとして最適に機能するよう、構造上の特徴を研究し、定義しました。 そして、使用するステンレススチールがこれらの特徴を満たしているかテストする基準を設けました。
ASTMはF138という規格、ISOは5832-1という規格を制定しました。この二つは非常に類似しており、 以下の3項目を明確にするために設けられました。

  • 316L(VM)という表記は、耐腐食性が高いステンレススチールであることを示すだけである。
  • ”サージカルスチール”という言葉はよく耳にするが、 それはただのマーケティング手段に過ぎない。
  • ASTM F138とISO 5832-1の規格を満たすと認定されたステンレススチールだけが、 インプラントグレードと呼ぶことができる。


316L(VM)ステンレススチールを形成する金属(クロムやニッケル等)が合金の外 へ浸出し身体へ付着すると、やがては皮膚が過敏症になったり、皮膚炎を起こすこともあります。

316L(VM)ステンレススチールには最大で15%のニッケルが含まれています。 この数値は、EUのニッケルに関する 法律で安全と定められた限度を超えているため、EUでは316L(VM)はボディピアスをあける際には 使用できません。このため、ヨーロッパではニッケルを含まないステンレススチールの商品も 生産され始めましたが、インプラントグレード認定もなく、デザインやサイズもかなり 限られています。

同法律によると、ニッケルの浸出量は一週間に0.5µ/cm²より少ないとありますので、 傷が治って上皮化が完了すれば316L(VM)を使用することができます。

皮膚のトラブルを避けるため、ジュエリーはインプラントグレードの証明がついているもの、 表面の仕上げが滑らかでよく研磨されたものを選びましょう。残念ながら、これらの条件を満たす ジュエリーは市場にはなかなか出回っていないのが事実です。.


参考: